28.熱力学第一法則からわかること3(証明)(難易度:⭐️⭐️⭐️)

目次

  1. 熱力学第一法則からわかること3
  2. 熱力学第一法則からわかること3の証明

 

みなさん、勉強おつかれさまです!!

前回の単元では、「熱容量」や「熱力学第一法則から導かれること」

について勉強しました。

 

この単元では、一つまえの単元

27.熱力学第一法則からわかること3(難易度:⭐️)

の証明をしますので、

この単元を読もうと思っている方で、

一つ前の単元を把握していない方がいたら

そちらも是非チェックしてみてください!

 

1.熱力学第一法則からわかること3

一つ前の単元で学んだ

「熱力学第一法則からわかること3」

とは「二つの熱容量\(C_{ V}\)と\(C_{p}\)の間にはある関係がある

ということです。

そして、その関係というのは、

定積熱容量を\(C_{V}\)、定圧熱容量を\(C_{p}\)とすると、

 

となります。

この単元では、この\(C_{V}\)と\(C_{p}\)の関係を導きます!!

 

2.熱力学第一法則からわかること3の証明

証明を三段階に分けます。

  1. 熱力学第一法則から熱\(Q\)を表す式を作る
  2. 熱\(Q\)を表す式をを用いて定積熱容量を求める
  3. 熱\(Q\)を表す式をを用いて定圧熱容量を求める

 

導き方

1.熱力学第一法則から熱\(Q\)を表す式を作る

内部エネルギー\(U\)を、温度\(T\)、体積\(V\)の関数と考えると、

という風にかくことができます。

ここで、熱力学第一法則に出てくる、\( \Delta U\)を考えます。

\( \Delta U\)というのは、

「はじめの状態での内部エネルギー」ー「終わりの状態での内部エネルギー」

なので、

 

となります。

また、気体のする仕事\( W\)というのは

と表すことができたので、これらを

これを熱力学第一法則

に適用します。

すると、

 

したがって、

が成り立ちます。

これで、手順の1は終了です。

次にこの式を用いて、「定積熱容量\(C_{V}\)」を計算します。

 

 

2.熱\(Q\)を表す式をを用いて定積熱容量を求める

「定積熱容量」ということは、

定積なので「気体の体積は変化しない」です。

つまり、\(dV=0\)となります。

したがって、先ほどの熱\(Q\)の式

の2項目は無くなります。したがって、

となります。

ちなみに、定積熱容量\(C_{V}\)というのは、

したがって、変形することで、

よって、熱量\(Q\)は、

これで、熱量\(Q\)をふた通りの式で表現することができました!

そして、これら二つを比べて見ます。

 

これら二つの式を比べてみると、

インテグラルの中のみが違います。

しかし、これら二つの式は同じでなければならないので、

 

が成り立つことになります!!

これで、「定積熱容量」が求まりました。

最後に「定圧熱容量」です。

 

 

3.熱\(Q\)を表す式をを用いて定圧熱容量を求める

先ほどは、定積だったので「気体の体積は変化しない」です。

しかし、今回は「定圧熱容量」なので、

圧力が一定

となります。

ここで、先ほどと同じように熱\(Q\)を2通りの式で

表すことを考えます。

まず、先ほどの熱\(Q\)の式を用いると、

と表すことができます。一方で、

ちなみに、定圧熱容量\(C_{p}\)というのは、

したがって、変形することで、

よって、熱量\(Q\)は、

これで、熱量\(Q\)をふた通りの式で表現することができました!

そして、これら二つを比べて見ます。

これらの二つの式をイコールで結んで見ると、

また、「2.熱\(Q\)を表す式をを用いて定積熱容量を求める」で、

という関係式を右辺の2項目に代入することで、

最後にこの式を変形していくことで、

積熱容量を\(C_{V}\)、定圧熱容量を\(C_{p}\)の関係を出していきます。

の関係を用いると、先ほどの式は

のように書きかえることができます。

そして、この式を整理します。

よって、

 

これらの式の右辺と左辺を比べてみると、

インテグラルの中のみが違います。

しかし、これらの式の右辺と左辺は同じでなければならないので、

これで証明完了です!!

 

 

とても長かったですね、、

ここまで理解できたのなら素晴らしいです!!

僕は、これを理解するのに4日かかりました笑

定積熱容量\(C_{V}\)と定圧熱容量\(C_{p}\)には以下のような関係がある。

まとめ

定積熱容量\(C_{V}\)と定圧熱容量\(C_{p}\)には以下のような関係がある。

 

 

この単元は以上です!お疲れ様でした!

 

 

 

 

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